アーユルヴェーダとは?スリランカに息づく伝統医学と、Sinharaja Herbsのものづくり
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「アーユルヴェーダ」という言葉を聞いたことはあっても、実際にはどのようなものなのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
有名なものではオイルを額へ静かに流す「シロダーラ」や、植物を使ったトリートメント。日本では、リラクゼーションやウェルネスのイメージとともに知られることも多いアーユルヴェーダですが、その背景には、長い歴史を持つ伝統医学の体系があります。
そしてスリランカを訪れると、アーユルヴェーダはホテルやスパの中だけにあるものではないことに気づきます。
街にはアーユルヴェーダに関連する商品を扱う店があり、棚にはオイルやバーム、植物を使ったさまざまな製品が並びます。国にはアーユルヴェーダを管轄する行政機関があり、医療や教育、製品、施設などに関する制度も存在しています。
Sinharaja Herbs Japanもまた、そんなスリランカという土地から生まれたブランドです。
この記事では、アーユルヴェーダとは何かという基本から、ドーシャ、代表的な施術、アロパシーやホメオパシーとの違い、スリランカで実際に体験できるアーユルヴェーダ、そしてSinharaja Herbsのものづくりとのつながりまで、私たちが現地で見てきた風景とともにご紹介します。
Contents
アーユルヴェーダとは?
アーユルヴェーダ(Ayurveda)は、インド亜大陸で発展してきた伝統医学体系のひとつです。
「Ayus(Ayuh)」は生命、「Veda」は知識を意味し、アーユルヴェーダはしばしば「生命の知識」「生命の科学」と表現されます。
WHO(世界保健機関)も、アーユルヴェーダの実践や教育について国際的なベンチマークを公表しており、現在も世界各地で実践されている伝統医学体系のひとつとして扱っています。
特徴的なのは、身体の一部分だけを見るのではなく、食事、睡眠、生活習慣、季節、年齢、精神的な状態などを含め、一人ひとりの状態を総合的に考えるという伝統的な考え方です。
アーユルヴェーダの中には、食事や生活習慣についての考え方、植物やオイルなどを用いる方法、身体へのさまざまな施術など、幅広い実践があります。
そのため、「アーユルヴェーダ=オイルマッサージ」という理解だけでは、その全体像のほんの一部分しか見えていないともいえます。
アロパシー、ホメオパシー、アーユルヴェーダの違い
医療や健康について調べていると、「アロパシー」「ホメオパシー」という言葉に出会うことがあります。
名前が似ているため混同されることがありますが、それぞれ成立した時代も背景も考え方も異なります。
| 名称 | 概要 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 現代西洋医学 | 科学的研究や臨床データをもとに、診断、薬物療法、手術などを行う現在の主流の医学体系 | 日本を含む多くの国で標準的な医療体系 |
| アロパシー | もともと、ホメオパシーを体系化したサミュエル・ハーネマンが、自らの方法と当時の主流医療を区別するために用いた歴史的な呼称 | 現在は地域や文脈によって、現代西洋医学や通常医療を指す言葉として使われることがある |
| ホメオパシー | 約200年以上前にドイツでサミュエル・ハーネマンによって体系化された、「類似の法則」や段階的な希釈を特徴とする独立した医学体系 | 国によって制度上の扱いが異なり、その有効性については研究や評価が続けられています。 |
| アーユルヴェーダ | インド亜大陸に起源を持ち、食事、生活習慣、植物、オイル、施術などを含む伝統医学体系 | インドやスリランカをはじめ、現在も伝統医学体系のひとつとして実践されている |
アロパシーとは?
現在「アロパシー」という言葉は、地域や文脈によって、現代西洋医学や通常医療を指す表現として使われることがあります。
簡単にいえば、現在一般にアロパシーと呼ばれるものは、医師などの医療専門職が診断を行い、薬、手術、放射線治療など、現代医学に基づく方法を用いて病気や症状に対応する医療を指すことが多い言葉です。
ただし、「アロパシー」という名称そのものは、現代西洋医学が自らの医学体系を定義するためにつくられた言葉ではありません。
もともとは、ホメオパシーを体系化したサミュエル・ハーネマンが、自らの方法と当時の主流医療を区別するために用いた歴史的な呼称です。
そのため、本記事では「アロパシー=現代西洋医学」と完全に同義の言葉としてではなく、その歴史的背景を含めて紹介しています。
ホメオパシーとは?
ホメオパシー(Homeopathy)は、約200年以上前にドイツでサミュエル・ハーネマンによって体系化された独立した医学体系です。
その中心となる考え方のひとつが、健康な人にある症状を起こす物質が、同じような症状を持つ人に用いられるという「類似の法則(like cures like)」です。
また、原物質を段階的に希釈して用いる考え方も特徴で、ホメオパシー製品の中には、元の物質が極めて高度に希釈されたものもあります。
簡単にいえば、ホメオパシーとは、「似た症状を生じさせる物質を希釈して用いる」という独自の理論に基づいて発展した医学体系です。
また、ホメオパシーの有効性については現在もさまざまな研究や評価があり、特定の健康状態に対する効果については、さまざまな意見があります。
ここで重要なのは、アーユルヴェーダ、ホメオパシー、現代西洋医学は、それぞれ成立の背景や理論が異なる別々の医学体系であるということです。
アーユルヴェーダは、食事、生活習慣、植物、オイル、施術などを含めながら、一人ひとりの状態を総合的に捉えていく伝統医学体系として発展してきました。
実際、スリランカ保健省は、同国の医療制度には「Western allopathic(西洋・アロパシー医学)」とその他の伝統医学体系が併存しています。
つまりスリランカでは、「西洋医学か、伝統医学か」という単純な二者択一ではなく、異なる医学体系が社会の中に存在しています。
本記事でも、いずれかの医学体系の優劣を論じるのではなく、それぞれの成立背景や位置づけを区別して紹介しています。
ヴァータ・ピッタ・カパ。「ドーシャ」とは?
アーユルヴェーダを知るうえで、よく登場するのが「ドーシャ(Dosha)」という考え方です。
伝統的なアーユルヴェーダ理論では、身体や心の状態を理解するための基本的な概念として、Vata(ヴァータ)、Pitta(ピッタ)、Kapha(カパ)という3つのドーシャが用いられます。
| ドーシャ | 象徴的なイメージ | 関連づけられる性質 |
|---|---|---|
| Vata / ヴァータ | 風 | 動き、変化など |
| Pitta / ピッタ | 火 | 熱、変換など |
| Kapha / カパ | 水 | 安定、構造など |
※上表ではそれぞれの性質をイメージしやすいよう簡略化して表現しています。
アーユルヴェーダでは、人によってこれらのバランスが異なると考えます。
よく「私はヴァータ体質」「私はピッタタイプ」といった言い方を耳にしますが、本来のアーユルヴェーダは簡単な診断だけで完結するものではありません。
体質だけでなく、その時々の状態、季節、年齢、生活環境なども含めて考える体系です。
また、ドーシャはアーユルヴェーダという伝統医学の中で用いられる概念であり、現代医学における血液型や遺伝子、臓器の分類などとも異なる考え方です。
アーユルヴェーダでは、どんな施術をする?
アーユルヴェーダにはさまざまな方法があります。
施設や目的によって内容は異なりますが、日本でも比較的知られているものとして、次のような施術があります。
アビヤンガ(Abhyanga)
オイルを身体へ用いるアーユルヴェーダの代表的な外用法のひとつです。
日本では「アーユルヴェーダのオイルトリートメント」として紹介されることが多く、施設によって使用するオイルや方法は異なります。
シロダーラ(Shirodhara)
液体やオイルなどを、専用の器具を使って頭部へ一定時間流す施術です。
額へ細い流れをつくる独特の光景から、アーユルヴェーダを象徴する施術として日本でもよく知られています。
WHOのアーユルヴェーダ実践基準にも、頭部へ液体を流す「Shirodhara」がアーユルヴェーダの施術として記載されています。
スウェーダナ(Svedana)
身体を温め、発汗を伴う方法です。オイルを使う施術などと組み合わせて行われることもあります。
パンチャカルマ(Panchakarma)
アーユルヴェーダにおける専門的な治療体系のひとつです。
複数の伝統的な処置を組み合わせるもので、観光地の短時間のスパメニューとは性質が異なります。
一部には身体への負担を伴う専門的な処置も含まれるため、自己流で行うものではなく、適切な資格や知識を持つ専門家の管理下で行われるべきものです。
食事や生活についてのアドバイス
アーユルヴェーダは施術だけではありません。
食事、睡眠、日々の過ごし方、季節との付き合い方なども重要な要素として考えられています。
施設によっては、施術だけでなく、食事やヨガ、瞑想、生活習慣などを組み合わせた滞在型プログラムが提供されています。
スリランカではどんなアーユルヴェーダが受けられる?
スリランカには、旅行者が利用できるアーユルヴェーダホテルやウェルネス施設、スパなどがあります。
Sri Lanka Tourism Development Authority(SLTDA)にも「Ayurvedic Hotels」「Ayurvedic Healthcare Centre」「Spa & Wellness Centre」といったカテゴリーが設けられています。
SLTDAは、アーユルヴェーダホテルについて、アーユルヴェーダ医師の指導のもと、マッサージ、スチームバス、瞑想、ヨガなどを含む場合がある施設として紹介しています。
一方で、すべての「Ayurveda」と看板を掲げた施設が同じ内容・水準というわけではありません。
旅行中に利用するときは、施設の登録状況、施術を担当する人の資格や経験、プログラム内容などを確認することも大切です。
短時間のトリートメントを体験できる施設もあれば、数日以上滞在しながら、専門家の指導のもとで食事や施術を組み合わせる施設もあります。
暮らしのすぐそばにあるアーユルヴェーダ
私たちがスリランカを訪れて感じたのは、アーユルヴェーダが旅行者向けのリゾートやスパの中だけに存在しているわけではない、ということでした。
地域には、アーユルヴェーダに関連するさまざまな商品を扱う店があります。

実際に私たちが訪れた現地のお店では、棚いっぱいにオイルやバーム、植物を使った製品、瓶入りの商品などが並んでいました。
観光客のためだけにつくられた空間というよりも、地域の人々が日常の中で立ち寄る店舗の一つ、という雰囲気があります。

日本でアーユルヴェーダという言葉を聞くと、「シロダーラ」や「オイルマッサージ」といった施術を最初に思い浮かべるかもしれません。
けれど、スリランカで目にするアーユルヴェーダは、もう少し生活に近いところにもあります。
植物やオイルを使うこと。自分自身の状態に目を向けること。食事や日々の過ごし方を考えること。
アーユルヴェーダを知っていくと、それが一度だけ受ける特別な施術ではなく、暮らしそのものを見るための伝統的な知恵でもあることが見えてきます。
また、スリランカではアーユルヴェーダが文化的な存在であるだけではありません。
政府のDepartment of Ayurveda(アーユルヴェーダ局)が設置され、医療サービス、教育、研究、医薬・製品、施設などについて制度的な管理も行われています。
アーユルヴェーダ製品の製造施設、製品、薬局、治療施設等について、それぞれ登録制度が設けられていることからも、アーユルヴェーダがスリランカ社会の中で制度化された伝統医学体系のひとつであることが分かります。
Sinharaja Herbsとアーユルヴェーダ
では、Sinharaja Herbsとアーユルヴェーダには、どのようなつながりがあるのでしょうか。
Sinharaja Herbsの現地チームでは、アーユルヴェーダのドクターが商品のレシピ作成を行っています。
植物について受け継がれてきた知恵と、スリランカの暮らしに息づくアーユルヴェーダの考え方を、現地の人々の手で一つひとつ形にし、毎日のケアに寄り添うかたちへと紡いでいます。

私たちが実際にSinharaja Herbsの工場を訪れた際にも、製造スペースにはさまざまな植物素材や原料が並び、それらを扱いながらものづくりが行われている様子を見ることができました。
植物の葉っぱやねっこ、粉末状の原料。
完成した商品だけを日本で見ていると、その背景にある植物や人の手まではなかなか想像できません。
けれど工場を訪れると、一つの商品ができるまでの向こう側に、植物を選び、扱い、組み合わせ、形にしていく人たちがいることが分かります。

Sinharaja Herbsにとって、アーユルヴェーダはブランドの世界観を形づくる大切な背景のひとつです。
スリランカという土地で受け継がれてきた植物との向き合い方や、アーユルヴェーダの知識を持つ人々とのつながりは、実際のものづくりにも息づいています。
Sinharaja Herbsが日本で届けているのは、スリランカで受け継がれてきた植物との関わりやアーユルヴェーダの知恵を背景に、毎日の暮らしの中で心地よく使えるようにつくられたケアアイテムです。
シャンプーバーやコンディショナーバー、ソープといった日々のアイテムを通して、植物を身近に感じ、自分自身に目を向ける時間を届けることを大切にしています。
私たちが届けたいのは、スリランカで出会った植物との距離の近さや、自分自身の状態に目を向け、毎日の中で自分をいたわるという考え方です。
それを、シャンプーバーやコンディショナーバー、ソープといった、日々の暮らしで使える形にしています。
特別なものから、毎日のセルフケアへ
アーユルヴェーダを知ったからといって、すぐに特別な生活を始める必要はありません。
スリランカへ行って長期のプログラムを受けることだけが、アーユルヴェーダとの付き合い方でもありません。
今日はどんな一日だっただろう。
今、自分はどんな香りを心地よいと感じるだろう。
少し疲れているのか。それとも気持ちよく動ける日なのか。
毎日の中で、自分自身の小さな変化に気づくこと。
植物の香りを感じながら髪を洗うことや、一日の終わりに静かに身体を洗う時間も、自分自身に意識を向けるきっかけになるかもしれません。
Sinharaja Herbs Japanが大切にしているのは、スリランカで育まれてきたものを、できる限りその土地の背景とともに日本へ届けることです。
植物を現地で育て、収穫し、その土地に暮らす人たちの手によって製品へと形にしていく。
スリランカで育つ植物を現地の人たちが育て、収穫し、その土地に暮らす人たちの手によって製品へと形にしていく。
植物原料をその土地の背景から切り離すのではなく、現地で育てられる植物については栽培や収穫から、そして製品の製造までをスリランカの中でつないでいくことに、私たちは大きな意味があると考えています。
そこには、植物について受け継がれてきた知識だけでなく、つくる人の手、その土地の空気、そして人から人へとつながっていく温かさがあります。
完成した一つのシャンプーバーやソープの向こう側に、スリランカの植物と、それを育て、形にする人たちがいること。
その背景まで含めて日本へ届けることが、Sinharaja Herbs Japanのものづくりに対する考え方です。
Sinharaja Herbs Japanは、商品を通して、その小さなきっかけを届けていきたいと考えています。
一日の終わりのバスタイムと植物の香りについては、こちらのJournalでもご紹介しています。
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